犬猫物語

Dog&Cat's Stories

【低アルブミン血症】ルイの闘病記 Complete ② ~葛藤、そして別れの日~

ルイの闘病記 (9話~16話、メッセージ《あとがき》)
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Review
カテゴリー:闘病記
作者:まる 
病名の告知から、動揺する気持ちを抱えながら、懸命に愛犬を見守るまるさん。
しかし病気は、まるさんの願いも届かず、容赦なく進行していきます。
そんな中、時折訪れる安息の時。
それは、今日は食欲がある。今日はジャンプが出来たという、元気な頃には当たり前だったこと。
――そして、とうとう別れの時がやってきます。

● 

ルイの闘病記(低アルブミン血症)|9話
「どうして欲しいの?」
飼い主はいつも問いかけますね。
だけど――、愛犬は何も答えてくれない。
初めは言葉の通じぬもどかしさ。やがて自分の無力さを知る飼い主。
それでまた聞く――
「どうして欲しいの?」
そうやって、心が通って行くのだと思います。

ルイの闘病記(低アルブミン血症)|10話
闘病では、飼い主の心がゆらゆら揺れますね。
当たり前のようにできたことが、段々できなくなる。
その寂しさ――、切なさ――
しかし、出来なくなったはずの事が、時々できる。
その時の嬉しさといったら――

小さなことが、とても大切に思えて――
闘病記は、心の記録ですね。

ルイの闘病記(低アルブミン血症)|11話
「ジャンプが嬉しかった」
その言葉に、我が愛犬を振り返る。

――階段登るのが好きだったな。
――3段跳びは、当たり前だった。
それが――
ほんの僅かの段差を登れずに、困った顔をしていたっけ。
切ないけれど、それもあの子の一生の一部だった。

ルイの闘病記(低アルブミン血症)|12話
闘病で無視出来ないのが、費用、時間、投薬など
作者のまるさんが心配したのは投薬でした。
薬のカプセルが大きいために、喉の奥に押し込まなければなりません。

――実は作中に登場するアトピカをいう薬は、うちの子に処方されたものと同じ。
あれは大変なんですよ。大きいから。
飲む方も、飲ませる方も……

ルイの闘病記(低アルブミン血症)|13話
作者のまるさんが今回心配しているのは、闘病中の食事。
療養食は美味しくないんですね。それは人間と同じです。
恐らく、闘病する飼い主さんは、似たような経験をしているはず。
限られた選択肢の中での工夫。
元気なときには、想像もできなかった苦労。

ルイの闘病記(低アルブミン血症)|14話
闘病は文字通り、病気との闘いですが、同時に飼い主の心の闘いでもあります。
話すことのできない子と向き合い、小さなことで一喜一憂。
でも、小さなことを喜べるのは、とても大切なこと。
飼い主を喜ばせようとするその子に、応えてあげることだから。

ルイの闘病記(低アルブミン血症)|15話
そのまま続くと思われた闘病は、突如終わりを告げます。
まるさんの愛犬ルイは、突然に天国へ。

――まるさんの言葉――
この日のことは今も鮮明に思い出します。
そして思い出すと涙が溢れてしまいます。

――そして、ドッグイヤー。
良く聞き言葉です。
犬は全てが早回し。一生を駆け抜けていく印象ですね。
次回は最終回です。

――まるさんより一言――
闘病記15話です。忘れられない日です。思い出すと今も涙が出ます。

ルイの闘病記(低アルブミン血症)|16話(最終話)
まるさんと、愛犬ルイの別れの話。

「ルイ!ルイ!」
私はルイを抱き上げ、何度も呼びかけました。
「嫌だ!」

別れの話はいつも切ないです。
しかし、闘病記で語られる別れにはどれも、飼い主が悲しみを乗り越えていく予感があります。
作者のまるさんは、どう思われたのでしょうか。

闘病記16話最終回です。
「ルイは天使になって私の心に今も生きています」

作者からのメッセージ
愛犬の闘病に大切なことは、タイミングと選択肢です。

本話は、16話続いた『ルイの闘病記』のあとがきも兼ねています。

作者のまるさんは、自身の経験をもとに、闘病に大切なのはタイミングと選択肢だと語ります。
動物は口がきけないから、飼い主に全てが委ねられますね。
まるさんは、しっかり闘ったと思うなあ。

あとがきにかえて 
闘病記を連載してみようと言うのは、かなり無謀な挑戦でした。
何故かと言うと、闘病記はその病気の当事者でもないかぎり、とても退屈なものであるからです。

しかしながら、闘病記をきちんと残す事には意義があるとも思っていました。
どうにか、読み物として闘病記が読めないかとも思っていました。

『ルイの闘病記』は、その無謀な挑戦の第二弾。
第一弾は筆者の愛犬、ピーチーの劇症肝炎の闘病を書いたものでした。

そこである程度確立したのが、連載する闘病記の冒頭に、飼い主さん自身のコメントを入れるというスタイルです。
なぜそんな面倒なことをするのかというと、現在から当時を振り返る視点を導入することで、読者は過去の記事を読むのだけでなく、今の作者の心情を知る事が出来、それによって闘病記を読み進める事が出来るのではないかと考えたからです。
場合によっては、その冒頭部だけを読んでもらっても良いとも思いました。

思い出の中には、つらい事も沢山あります。
思い出したくない事だって、中にはあります。

「あの時の選択は、間違っていたかもしれないな」
「あの日、もっと優しくしてあげたらよかったな」
などなど……
反省や後悔をすることも、度々です。
それでも敢えて当時を振り返るのは、これから同じ道を歩く飼い主さんのために、役に立てたらと思うからです。

闘病記は、病気を記録するだけの目的ではないように思います。
愛犬と一緒に闘った友情の記録だし、飼い主さんの心の成長の記録でもあります。
だから私たちは、闘病記に励まされるのでしょう。

この企画に賛同していただき、当時の苦しい思いを振り返りながら、毎回コメントを寄せていただいた、まるさんに深く感謝をしたいと思います。

この闘病記が、これから闘病に望まれる飼い主さんに届く事を祈ります。
そしてWithdogでは、そんな前向きな闘病記を、これからも掲載したいと思います。

高栖匡躬

作:まる
解説:高栖匡躬 

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